今回は国立大学の事務職員になるための方法をご紹介します!
どの企業でも同じですが採用されるためには、まずは採用試験を受ける必要がありますので、そちらを紹介していきます!
国立大学の職員ってどうやってなるの?
どんなルートでの就職方法があるの?
という方に参考になる内容となっております!
はじめに
国立大学法人の職員になる方法は主に3つの方法があります。
- 国立大学法人等職員採用試験
- 大学個別実施の独自採用試験
- 非常勤職員採用後の内部登用試験
一番知られているのが、「国立大学法人等職員採用試験」を受けて採用されることですね。
しかし、最近は大学独自の「独自採用試験」も様々な大学で行われています。
「独自採用試験」は一般企業のような採用方法で大学が個別に行っている採用方法のことです。
またあまり知られていないかもしれませんが、一度非常勤職員(パートや日給職員)として採用されてから、正規の職員になる「内部登用試験」という方法もあります。
今回の記事では、それぞれ以下のように略して説明させていただきます!
◆国立大学法人等職員採用試験 → 統一試験
◆大学独自の採用試験 → 独自試験
◆非常勤職員採用後の内部登用試験 → 内部試験
次から詳しく説明していきます。
国立大学法人等職員採用試験(統一試験)
まずは一般的なのが、毎年行われている統一試験に合格して、希望の大学の採用試験を受けに行くという方法です。
詳細は統一試験に特化した記事を作成予定ですので、概要とポイントをご紹介していきます!
統一試験のポイントは以下のとおりです。
- 7つの地区に分かれている
- 統一試験合格後、各大学の試験を受験
- 統一試験の倍率は3.5倍
- 統一試験の年齢制限は30歳
それぞれ解説していきます!
7つの地区に分かれている
統一試験は全国で7つの地区に分けて実施されています。
- 北海道地区
- 東北地区
- 関東甲信越地区
- 東海・北陸地区
- 近畿地区
- 中国・四国地区
- 九州地区
令和2年度の採用までは、就職したい大学が属している地区の統一試験を受ける必要がありました。
しかし、令和3年度の統一試験からは、どの地区の統一試験でも全国の大学の採用試験を受けられるようになりました。
まずは受けやすい地区の統一試験を受験する事が必要になります。
統一試験合格後、各大学の試験を受験
統一試験は、第1次試験と第2次試験に分かれています。
◆第1次試験
先ほど記載した、7地区に分けて行われる試験のことです。
第1次試験に合格すれば、第2次試験に進むことができます。
◆第2次試験
大学で個別に行われている試験のことです。
就職を考えている大学の採用試験を受けに行くことになります。
1次試験は筆記試験になり、2次試験は面接の試験になります。
統一試験の倍率は3.5倍
令和3年度の統一試験(1次試験)の倍率は以下のとおりです(事務のみ)。
※倍率は【申込者÷合格者】で求めています。
申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 | |
北海道地区 | 921 | - | 394 | 2.3 |
東北地区 | 1,689 | 1,328 | 484 | 3.5 |
関東甲信越地区 | 8,281 | 5,449 | 1,788 | 4.6 |
東海・北陸地区 | 2,902 | - | 946 | 3.1 |
近畿地区 | 3,048 | 1,895 | 658 | 4.6 |
中国・四国地区 | 2,587 | - | 1,073 | 2.4 |
九州地区 | 4,366 | - | 1,526 | 2.9 |
合計 | 23,794 | 8,672 | 6,869 | 3.5 |
倍率は約3.5倍となっています。
受験者数を公表していない地区もあったので、実際にはもう少し低くなるのではないかなと思います。
受験者数を公表している地区のみで【受験者数÷合格者数】を計算すると、約3.0倍になります。
統一試験の年齢制限は30歳
統一試験は受験資格に年齢制限があり、今年度30歳になる方までが対象となります!
2021(令和3)年度の採用試験は終了しましたので、
来年受験を考えておられる方は、1992(平成4)年4月2日以降に生まれた方が対象になります!
統一試験のまとめ
統一試験は1次試験と2次試験に分かれており、
7地区で実施されている1次試験に合格後、各大学の2次試験を受けに行くことになります!
倍率は約3.5倍で、30歳になる年度までという年齢制限があります。
最後に注意点としては、必ずしも希望する大学に採用枠があるとは限りません!
年度によっては事務職員の採用枠が0名ということもあります。
しかし、途中で採用枠が追加されたり、この後記載する独自試験で募集されていたりするので、各地区のHPと各大学のHPをこまめにチェックするようにしましょう!
大学個別実施の独自採用試験(独自試験)
2つ目はそれぞれの大学が個別で実施している独自試験を受けるという方法があります。
平成16年4月に法人化して以降、それぞれの大学が個別で制度等を決めることができるようになりました。
そのなかの1つが独自採用試験です。
今までは先ほどの統一試験くらいしか方法がありませんでしたが、個別で採用試験を実施できるようになりました。
独自採用試験は企業の採用試験と同じような流れになっています。
独自試験のポイントは以下のとおりです。
- 経験者採用(社会人経験者)が多い
- 試験内容は各大学で異なる
- 年齢制限もさまざま
それぞれ解説していきます!
経験者採用(社会人経験者)が多い
統一試験とは違い、経験者に限った採用であることが多いです。
「社会人経験3年以上」や「○○の経験があるもの」といった応募条件がありますので、募集要項を確認しましょう!
独自採用では即戦力が求められています。
いままでの社会人経験を反映させて、大学によい影響を与えてくれる人材を必要とされています。
試験内容は各大学で異なる
独自採用の試験内容はそれぞれの大学によって異なります。
調べた中では、教養試験(筆記試験)がないことがほとんどでした。
大体の流れは以下の通りです。
- 書類審査・Web適性検査
- 集団討論・集団面接(または筆記試験・作文試験)
- 個人面接(課長・課長補佐クラス)
- 個人面接(役員クラス)
選考期間は、採用内容にもよりますが、最初の試験から最終試験までは、2~3か月ほどで最終合否がわかるスケジュールとなっています。
年齢制限もさまざま
独自試験は年齢制限がないことが多いです。
統一試験は30歳という制限がありましたが、能力・実績で判断されています。
ただ、私のイメージとしては、20代後半から30代後半までが採用されやすい年代かなと思います。
とはいえ、実績があり係長クラスで活躍できそうという人材であればその限りではありません。
あくまで私の主観なので、参考程度に知っておいていただければと思います。
独自試験のまとめ
独自試験は各大学が個別に行っている試験のことです。
年齢制限もないことが多く、試験内容もそれぞれの大学で異なります。
私の感覚としては、20代後半から30代後半までが採用されているような印象です。
独自試験は即戦力が求められており、今までの経験や実績をもとに大学に良い影響を与えてくれる人が求められています。
それぞれの経験によって活躍できる部署がありますので、ぜひ検討してみてください!
例えば・・・
- 金融関係経験者 → 会計・財務関係
- 外国語が得意 → 国際交流関係
- 医療関係経験者 → 附属病院の病院事務
- IT関係経験者 → 図書・情報関係
内部登用試験に合格する(内部試験)
最後に内部試験です。こちらは簡単ご紹介します!
その名のとおり、学内で非正規として勤務している人向けの正規職員採用試験のことです。
まずは、その大学の職員になることが必要です。
定期的に大学のHPやハローワークなどで求人が出ているので、チェックしていきましょう!
年齢制限もないことが多く、採用の難易度も低いのかなと思います。
「勤続○年以上」のような条件はありますが、今までの勤務実績や態度を知っているわけですから、一定の能力をもっている人であれば採用されやすいと思います。
また、採用される側も実際に職場の実務や雰囲気を知っているので、「こんな職場とは知らなかった」というようなミスマッチも防げるのでメリットがありますよね。
ただ、何年かは非正規で働くわけなので、正規の人と比べて給料が低かったり、福利厚生が薄くなってしまったりとデメリットもあるので、注意が必要です。
また、採用人数が少なかったり、そもそも内部試験を行っていなかったりします。
内部試験の情報をHPで公表している大学もありますが、公開していない大学もあるので、内部採用を狙っている人は必ず確認しましょう!
まとめ
今回は、国立大学職員になる3つの方法を紹介しました。
- 国立大学法人等職員採用試験(統一試験)
- 大学個別実施の独自採用試験(独自試験)
- 非常勤職員採用後の内部登用試験(内部試験)
新卒の方は、統一試験がメインになると思います。
筆記試験を受ける必要はありますが、大学生のうちにコツコツ勉強して対策していきましょう!
独自試験は条件があり、対象ではない可能性が高く、また内部試験を狙って、いわゆる「新卒カード」を非正規に使ってしまうのはもったいないと思います。
また既卒の方は独自試験を狙っていくのがおすすめかなと思います。
最近は独自試験を行う大学も多くなってきているので、現職で培った能力や実績をアピールして合格を狙っていきましょう!
また20代の半ばくらいまでの人は統一試験との併用もありだと思います!
実際に独自試験はダメだったけど、統一試験で合格して採用されている人もいますので挑戦していきましょう!
統一試験・独自試験については深堀した記事を作成しようと思っていますので、興味のある方はしばらくお待ちいただければと思います!
最後までご覧いただきありがとうございます!