今回は、国立大学の事務職員になるための1つの方法である、国立大学法人等職員採用試験についてご紹介していきます!
※この記事では、「国立大学法人等職員採用試験」は名称が長いので、「統一採用試験」と記載させていただきます。
国立大学職員のめざしていて、統一採用試験を考えておられる方は、次のようなことを思われているのではないでしょうか。
- 国立大学の統一採用試験ってどんな試験なの?
- 統一採用試験の流れってどうなの?
- 人気の職種って聞いているけどどれくらいの難易度なの?
国立大学職員になるには統一採用試験に合格することが主な就職方法になります。
独自採用試験という大学が独自に行っている試験もありますが、すべての大学が行っているわけではないので、今はまだ統一採用試験がメインになると思います。
そこで今回は、統一採用試験の概要や試験科目、試験倍率などをご紹介していきますので、ご参考にしていただければ幸いです!
統一採用試験の概要
まずは統一採用試験ってどんな試験なのかをご紹介していきます。
「国立大学法人等採用試験(統一採用試験)」は平成16年から実施されている国立大学の事務職員になるための試験のことです。
国立大学は、もともと文部科学省の管轄の機関で公務員という扱いでした。
そのため、国立大学の職員になるためには「国家公務員採用試験」を受ける必要がありました。
しかし、平成16年4月に「国立大学法人(法人化)」となりました。
この法人化をきっかけに始まったのが、「国立大学法人等採用試験(統一採用試験)」となります。
なぜ法人化したかを簡単にご紹介すると、
“優れた教育や特色ある研究に各大学が工夫を凝らせるようにして、より個性豊かな魅力のある大学になっていけるため”
ということです。
全文は文部科学省のHPに記載されていますので、気になる方はご確認ください。
参考:文部科学省【なぜ国立大学を法人化することとしたのですか。】
次からは統一採用試験のポイントをご紹介していきます。
統一試験の流れ
統一試験の流れは以下のとおりです。(令和3年度)
- 受験受付:5月12日~5月26日
- 一次試験:7月4日
- 合格発表:7月21日
- 機関訪問:7月下旬~8月中旬※
- 二次試験:8月~9月上旬※
- 合格発表:8月下旬~9月下旬※
※各大学・機関によって異なります。
統一採用試験は一次試験と二次試験に分かれています。
一次試験は筆記の試験になっており、7つの地区に分かれて実施されています。
(7つの地区は、この後ご紹介します。)
二次試験は希望する大学の試験を受けに行くという流れになっています。
試験受付
一次試験の受付は5月中旬頃から行われます。受付期間が約2週間と短いので注意が必要です!
ただ申込の段階では、自己PRや志望理由を記載する必要はなく、個人情報や学歴、採用希望地区などを入力すればよいので、早めに申し込みするように気を付けましょう!
一次試験・合格発表
一次試験は7月の第1日曜に行われています。
試験内容や難易度、対策等は記事の中盤頃からご紹介します!
合格発表は7月の第3水曜になっております。
機関訪問
一次試験で合格すれば二次試験に進むのですが、その前にそれぞれの大学で「機関訪問」を実施していることが多いです。
就活でいう「会社説明会」のようなもので、大学の紹介や職員による仕事紹介などが行われています。
参加は必須ではありませんが、大学の雰囲気、仕事内容、どんな方が働いているのかなど、生の声を聴けるのはこの機会のみだと思うので、できる限り参加した方がよいと思います。
直接の選考に関係はないかもしれませんが、期間訪問の参加者は大学で控えられているので、その点でも参加した方が良いと思います。
二次試験・合格発表
二次試験はそれぞれの大学個別に実施されます。
試験内容は面接がメインですが、その内容や回数は大学によって異なります。
合格発表は早ければ試験の翌日の場合もあります。大体1週間程度が目安になるかと思います。
全国7地区に分けて実施される
統一採用試験の一次試験は7つの地区に分かれて実施されます。
7つの地区は以下とおりです。
- 北海道地区
- 東北地区
- 関東甲信越地区
- 東海・北陸地区
- 近畿地区
- 中国・四国地区
- 九州地区
令和2年度の採用までは、就職したい大学が属している地区の統一試験を受ける必要がありました。
例えば、東京大学に就職したい場合は、関東甲信越地区の統一試験に合格後、東京大学の試験を受験する必要がありました。
しかし、令和3年度の統一試験からは、どの地区の統一試験でも全国の大学の採用試験を受けられるようになりました。
今住んでいる地区の統一試験を受験した後、希望の大学の採用試験を受験できるということですね!
受験資格
統一試験を受験できるのは30歳の年度までとなっています。
令和3年度の採用試験は終了したので、来年度に就職・転職を考えておられる方は、
平成4(1992)年4月2日以降に生まれた方が対象になりますので、ご注意ください!
また、受験資格は年齢しかありませんので、高卒・短大卒の方でも受験することができます!
しかし、試験問題は大卒程度の問題になりますので、難易度は高くなるかと思います。
採用予定人数
それぞれの大学で採用予定数が決まっています。
採用人数は各地区の実施委員会のHPに乗っていますので、確認しましょう!
その年の採用予定数が0名だったりすることもあります。
また採用期間中でも随時更新されますので、もし希望する大学の採用予定数が0名だったとしても定期的にHPを確認しましょう!
大学の一覧等をまとめているページを作成していますので、気になる方はそちらのページをご覧ください!
試験倍率
採用試験の倍率は令和3年度のデータを見ると、
一次試験合格が約3.5倍、合格までの倍率は約13倍となっています。
①申込者数 | ②受験者数 | ③合格者数 | ④一次試験倍率 | ⑤採用予定数 | ⑥二次試験倍率 | |
北海道地区 | 921 | ー | 394 | 2.3 | 42 | 9.4 |
東北地区 | 1,689 | 1,328 | 484 | 3.5 | 50 | 9.7 |
関東甲信越地区 | 8,281 | 5,449 | 1,788 | 4.6 | 170 | 10.5 |
東海・北陸地区 | 2,902 | ー | 946 | 3.1 | 72 | 13.1 |
近畿地区 | 3,048 | 1,895 | 658 | 4.6 | 35 | 18.8 |
中国・四国地区 | 2,587 | ー | 1,073 | 2.4 | 70 | 15.3 |
九州地区 | 4,366 | ー | 1,526 | 2.9 | 91 | 16.8 |
合計 | 23,794 | 8,672 | 6,869 | 3.5 | 530 | 13.0 |
参考:令和3年度国立大学法人等職員採用試験データから概算
なかなか倍率は高くなっているみたいですね。
ただ、この数字はあくまで平均の数字になっています。
二次試験に関しては各大学に受けに行くので、大学によっては倍率が低かったり高かったりするので、すべての大学が13倍ということではありません。
しっかりと対策して試験に備えましょう!
試験科目
前にも記載したとおり、統一採用試験は一次試験と二次試験に分かれていますので、2つをそれぞれ紹介していきます!
一次試験(筆記試験)
一次試験の試験科目は筆記試験で、全40問の120分の試験となっています。
問題の詳細は以下のとおりです。
一般知識 | 社会(7問) 人文(7問) 自然(6問) |
一般知能 | 文章理解(7問) 判断推理(8問) 数的推理及び資料解釈(5問) |
難易度は公務員試験の国家一般職や地方上級と同程度になっています。
公務員との併願を考えておられる方はその知識がそのまま使えるのではないかなと思います。
実際に公務員と並行で受けている人は多く、実際に私の勤務先の新人さんに話をきいても公務員試験と併願していましたと言っていました。
一次試験の対策などは別記事で作成しようと思っていますのでお待ちいただければと思います!
二次試験(集団討論・面接試験)
一次試験を通過・合格すれば、次に各大学で実施される二次試験に進みます。
二次試験は大学によってさまざまな試験内容となっておりますが、メインの試験科目は集団討論(グループディスカッション)、集団面接、個人面接となっています。
二次試験は2~3回実施されることが多いですね。
こちらは大学の規模や採用人数によって来るのでないかと思います。
私が面接を受けたときは、面接の内容は企業の採用面接とほぼ変わりない内容を聞かれました。
ただ、最終面接になると大学関連や教育関連の質問が来ましたので、しっかりと対策しておくことが重要です!
こちらも別記事で試験対策を作成しようと思っています!
まとめ
今回は統一採用試験の概要についてご紹介しました。
統一採用試験は国立大学事務になる大きな道の一つです。
筆記試験・対面の試験があり、対策はしっかりと行うことが大事です。
どのようなスケジュールで試験が進み、どんな試験があるのかを把握して適切に対策していきましょう!
少しでも参考になればうれしいです。
最後までご覧いただきありがとうございます!